知恵遅れの大ちゃん 神経の多い大ちゃん

土方巽の弟子の和栗さんから聞いた話です.

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僕が子どもの頃、近所に大ちゃんと言う、190cmもある、大きな子がいました.多分巨人症だったのじゃないかな。結局20歳まで生きられなかったようだったよ。
大ちゃんは、僕の家の庭に入りこんでは、草むしりをしてくれて、「もう、草むしりしなくて良いよ」といっても、その時は帰ってもまた翌日草むしりをしていました。
いつもにこにこしてて、なぜだか、いつも蝉を持っていました。
子ども達は、「大ちゃん蝉ちょうだい」といって、ぞろぞろ跡をついて回りました.
そうすると大ちゃんは「はい」といってくれました.
でもまたすぐ、蝉を捕まえて手に持っているのです.
なぜ蝉を素手で簡単に捕まえるられるのか、本当に不思議でした。でも、いつもいつも蝉を手に持っていました.

あるとき、土方さんに大ちゃんのことを言ってみたんです.
土方さんは言いました.
「それは、その子の神経が我々より、多いんだ。だから蝉をひょっと捕まえられるし、僕たちが神経を使ってる以上に神経を使ってるから、顔は笑ってるんだ。」

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本当は知恵遅れじゃなくって、すごく発達してると言うのです。

昔、西洋では身体的にとか、精神的に障害を持って生まれた子供を「天使の子供が生まれた」といって、村でみんなで育てたと言います。


余談ですが、武道でも神経を鍛えると言うことを言います。この辺の話は、また別の機会に・・・